誕生日が重なる確率

確率の例題で「同じクラスに,同じ誕生日の人が高確率で存在すること」(誕生日のパラドックス - Wikipedia)を題材とした問題がよく取り上げられます.誕生日ならちょっとびっくりする例で済むのですが,生体認証やDNA鑑定で同じことが起きるため,問題とな…

逐次計算(移動平均・移動分散)

移動平均 移動分散 関連記事 移動平均移動平均\begin{aligned} \bar{x}_{m} = \frac{1}{n} \sum_{i=m-n+1}^{m} x_{i} \end{aligned}を逐次計算する.\begin{aligned} \bar{x}_{m} &= (n\bar{x}_{m-1} - x_{m-n} + x_{m}) / n \\ &= \bar{x}_{m-1} + \frac{1}…

逐次計算(平均・分散)

過去の計算結果と新たに取得したデータを使って,平均や分散をアップデートしていく方法.Welfordのアルゴリズムというらしい.つまり,$n$ステップ目で欲しい量を$y_{n}$,新たに得られる量を$x_{n}$とするとき,\begin{aligned} y_{n} = f(y_{n-1}, x_{n})…

無限小回転と軌道角運動量演算子

スカラー場 スカラー場の無限小回転 参考文献 スカラー場座標回転$\bm{x} \mapsto \bm{x}^{\prime} = R\bm{x}$に対して,$f\mapsto f^{\prime}$が以下のように変換するとき,$f$をスカラー場という.\begin{aligned} f: & \bm{x} \mapsto f(\bm{x}) \\ f^{\p…

無限小回転から任意の回転へ

無限小回転と任意の回転の関係について見ていきます. ベクトルの無限小回転 任意の回転 外積の行列表現 回転行列と交代行列の関係 参考文献 ベクトルの無限小回転ベクトル$\bm{\omega}$を回転軸とする回転を考える.ベクトル$\bm{\omega}$の大きさは,時間$…

光のドップラー効果

波数ベクトルの変換則から求める 参考文献 波数ベクトルの変換則から求める音のドップラー効果と同じように考える. ➡音のドップラー効果をガリレイ変換で考える - Notes_JP波の伝播方向を向く単位ベクトルを$\hat{\bm{k}}$とし,波数ベクトル\begin{aligned…

音のドップラー効果をガリレイ変換で考える

高校物理では,音のドップラー効果を以下の方法で求めました. ➡【高校物理】ドップラー効果(音波) - Notes_JP一方,光のドップラー効果は,ローレンツ変換を使って計算されます.この計算と比較するために,音のドップラー効果をガリレイ変換で計算しまし…

ベクトル解析の公式

POINT ベクトル解析の公式と,その導出方法の一覧. 行列計算も統一的に理解できる. ベクトル解析の公式と,その導出方法を一覧にまとめました.力学・電磁気学・流体力学などを学ぶ上で,これらの計算はとても重要です.計算練習をして,すぐに公式を導出…

完全反対称テンソルの縮約公式

完全反対称テンソルの縮約POINTベクトル解析の計算でよく使う「完全反対称テンソルの縮約公式」を簡単に導出する.ベクトル解析でよく使う公式に「完全反対称テンソルの縮約公式」があります. ※完全反対称テンソルは,レビ・チビタ記号,エディントンのイプ…

正項級数の収束判定法と例

POINT 正項級数の収束を判定する方法と例. 正項級数というと特殊な感じがするかもしれません.しかし,\begin{aligned} \biggl| \sum_n a_n \biggr| \leq \sum_{n} |a_{n}| \end{aligned}から (正項級数)$\displaystyle\sum_n |a_n|$が収束$\Rightarrow \…

微分形式を使った曲線座標のgrad・rot・div

以下の書籍で紹介されている計算方法です.電磁気学とベクトル解析 (数学と物理の交差点 2)作者:吉田 善章共立出版Amazonラプラシアンやdivを簡単に導くには,以下の方法もあります: ラプラシアンの計算はヤコビアンを使うと簡単 - Notes_JP 記法 ベクトル…

放射量と測光量

【関連記事】 黒体輻射のスペクトル - Notes_JP 放射量(radiometric quantity) 放射エネルギー(radiant energy)$Q_{\mathrm{e}}$ 放射束(radiant flux)$\Phi_{\mathrm{e}}$ 放射強度(radiant intensity)$I_{\mathrm{e}}$ 放射輝度(radiance)$L_{\m…

Slowly varying envelope approximation

Slowly varying envelope approximationについて. Slowly varying envelope approximation - Wikipedia \begin{aligned} A(x+\lambda) \simeq A(x) + \frac{\partial A}{\partial x}(x) \lambda \end{aligned}が成り立つとき,2次の項\begin{aligned} \frac…

正規分布の畳み込み・相関関数

正規分布の畳み込み・相関関数を以下の方法で計算してみる. ➡フーリエ変換を使った相関関数と畳み込みの計算方法 - Notes_JP 準備 畳み込み 相関関数 別解 特性関数を使う 畳み込み 準備この記事では,関数$f$のフーリエ変換を\begin{aligned} \mathcal{F}[…

正規分布の半値幅(FWHM)

正規分布の半値幅を計算する(半値幅 - Wikipedia).正規分布は以下で与えられる(正規分布の覚え方 - Notes_JP):平均$\mu$,分散$\sigma^{2}$の正規分布\begin{aligned} N(\mu, \sigma^{2}) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{- (x-\mu)^{2}/2\sigma^{2}…

周期関数の「フーリエ変換」

POINT 周期関数の「フーリエ変換」はくし型関数(くし型関数 - Wikipedia)で表せる. フーリエ変換のその他の性質:フーリエ変換の公式と導出 - Notes_JP くし型関数 周期関数の「フーリエ変換」 参考文献 くし型関数くし型関数を\begin{aligned} \delta_{T…

Pythonでベイズ因子分析

書籍「ベイズ信号処理(関原 謙介)」の「第10章 数値実験」の計算例をPythonで実行しました.問題設定やアルゴリズムについては書籍を参照してください.ベイズ信号処理 ―信号・ノイズ・推定をベイズ的に考える―作者:関原 謙介共立出版Amazon出版社のページ…

Pythonでスパースベイズ

書籍「ベイズ信号処理(関原 謙介)」の「第10章 数値実験」の計算例をPythonで実行しました.問題設定やアルゴリズムについては書籍を参照してください.ベイズ信号処理 ―信号・ノイズ・推定をベイズ的に考える―作者:関原 謙介共立出版Amazon出版社のページ…

PythonでEMアルゴリズム(線形正規モデル・L2正則化)

書籍「ベイズ信号処理(関原 謙介)」の「第10章 数値実験」の計算例をPythonで実行しました.問題設定やアルゴリズムについては書籍を参照してください.ベイズ信号処理 ―信号・ノイズ・推定をベイズ的に考える―作者:関原 謙介共立出版Amazon出版社のページ…

回転行列(3次元)

3次元回転行列も,以下の2次元回転行列と全く同じ方法で導出できます. 回転行列(2次元) - Notes_JP 座標軸周りの回転 任意軸周りの回転(ロドリゲスの回転公式) 関連記事 座標軸周りの回転3次元回転行列($x,y,z$軸周り)\begin{aligned} \begin{cases} …

J-Quants APIで株価・財務情報を取得

データ分析の題材として,金融データを扱っている書籍は多いです.しかし,同じことを試そうと思っても,信頼できる長期的なデータを取得する方法がなかなかありません(経験上,無料で得られるデータでは,株式分割などを考慮しない株価になっている可能性…

常用対数から自然対数への変換(log10からlnへの変換)

$\log_{10} x$の導関数を計算できますか? 常用対数から自然対数への変換 一般的な底の変換 一般的な微分公式 常用対数から自然対数への変換常用対数$\log_{10} x$はよく使われますが,例えば微分したいときに困ります.$\ln x = \log_{e}x$の導関数は\begin…

Pythonで回転行列

回転行列をnumpyで実装します.回転行列については以下の記事を参照してください. ➡回転行列(2次元) - Notes_JP 2次元Python (numpy) import numpy as np def rot(vec, theta): vec = vec.reshape(-1, 1) cos, sin = np.cos(theta), np.sin(theta) R = np…

三角関数の公式をオイラーの公式で導く

POINT 三角関数の公式は指数関数を使って導くことができる. オイラーの公式を使わない方法は,次の記事を参照してください. 三角関数と公式 - Notes_JP オイラーの公式 加法定理 和積公式 三角関数の合成 オイラーの公式指数関数を使って三角関数の公式を…

行列の性質

POINT よく使う行列の性質をまとめます. 【関連記事】 ベクトル解析の公式 - Notes_JP 対称行列 逆行列 逆行列 クラメルの公式 例:2×2行列 式変形 重み 対称行列${}^t \!A = A$($a_{ji}=a_{ij}$)を満たす行列を「対称行列」と呼びます.逆行列対称行列の…

Pythonの切り捨て除算演算と剰余演算

POINT x//yはfloor(x/y)と思えばOK. x%yはmod yで,yと同符号になる. ドキュメント 負の数に対する演算 参考文献/記事 ドキュメント6. 式 (expression) — Python 3.12.1 ドキュメント //(切り捨て除算: floor division):floor関数と同じ. 整数の切り捨て…

FFTと手計算の結果を比較する方法(離散フーリエ変換vs.連続フーリエ変換)

POINT FFTと手計算したフーリエ変換を比較する方法について. $T_{\mathrm{s}}$をサンプリング周期とするとき,手計算と比較すべきは「FFTの結果×$T_{\mathrm{s}}$」と「IFFTの結果 / $T_{\mathrm{s}}$」である. numpy.fftを使って,ガウス関数のFFTと手計…

熱雑音とパワースペクトル

POINT パワースペクトルの定義と意味,自己相関関数との関係について. 応用例として熱雑音を取り上げる. 【関連記事】 相関関数と畳み込み - Notes_JP 時間平均 - Notes_JP パワースペクトル 熱雑音 参考文献 パワースペクトル$x(t)$を$[-T/2, T/2]$でだけ…

黒体輻射のスペクトル(Pythonコード)

黒体輻射のスペクトル ある波長範囲のエネルギーの割合 黒体輻射のスペクトル黒体輻射のスペクトル(分光放射輝度)をプロットするPythonコードです. 計算方法:黒体輻射のスペクトル - Notes_JP import numpy as np import matplotlib.pyplot as plt impor…

黒体輻射(プランクの法則)

POINT Planckの輻射公式・Stefan-Boltzmannの法則・形態係数の導出 スペクトルを計算する 黒体輻射(Black body radiation)について整理します.機会があれば,場の理論的なアプローチも扱いたいと思っています. 【関連記事】 [A]放射量と測光量 - Notes_J…