ベイズの定理は表を使うと公式なしで計算できる

POINT

  • 条件付き確率の問題を表にまとめると,ベイズの定理を覚えなくても条件付き確率を計算できる.

条件付き確率の状況を表に整理すると,ベイズの定理を明示的に使うことなく同じ結果が得られます.

ベン図を使ってベイズの定理を理解する方法は以下を参照してください.
ベン図でわかる条件付き確率とベイズの定理 - Notes_JP

例題 (Wikipedia「薬物検査」より)

Wikipediaの例で解説します.Wikipediaでは,ベイズの定理を使った方法が記載されているので,以下の方法と比べてみてください.
ベイズの定理 - Wikipedia

まとめると,つぎの内容です.

Wikipedia「薬物検査」
この薬物検査では,薬物の使用者の99%が陽性になり,非使用者の99%が陰性になる.また,社会全体の薬物使用者は0.5%であることがわかっている.この薬物検査で陽性だった人が薬物使用者である確率を求めよ.

解法

この問題は,次のように図示できます.
問題をまとめた表
問題をまとめた表(本当は,確率に応じて尺度を変えたいのですが,スペースの都合上,大小関係だけ保っています.)


この表に,各事象の起きる確率を記入すると,以下になります.

確率を記入した表
確率を記入した表


以上より,次のようにして確率を計算できます.

薬物検査で陽性だった人が薬物使用者である確率
薬物検査で陽性だった人が薬物使用者である確率

何一つ公式を覚えず,簡単に計算できますね.

ベイズの定理との対応

上の表を,条件付き確率の言葉で置き換えたのが以下です.

実際は,こうして記号で置き換えずに,上でやったように数値を直接書き込んで行くほうが簡単です.

ベイズの定理との対応
ベイズの定理との対応