数学

このカテゴリーの目次を作成しました: Mathematicsの記事一覧

無限小回転と軌道角運動量演算子

スカラー場 スカラー場の無限小回転 参考文献 スカラー場座標回転$\bm{x} \mapsto \bm{x}^{\prime} = R\bm{x}$に対して,$f\mapsto f^{\prime}$が以下のように変換するとき,$f$をスカラー場という.\begin{aligned} f: & \bm{x} \mapsto f(\bm{x}) \\ f^{\p…

無限小回転から任意の回転へ

無限小回転と任意の回転の関係について見ていきます. ベクトルの無限小回転 任意の回転 外積の行列表現 回転行列と交代行列の関係 参考文献 ベクトルの無限小回転ベクトル$\bm{\omega}$を回転軸とする回転を考える.ベクトル$\bm{\omega}$の大きさは,時間$…

正項級数の収束判定法と例

POINT 正項級数の収束を判定する方法と例. 正項級数というと特殊な感じがするかもしれません.しかし,\begin{aligned} \biggl| \sum_n a_n \biggr| \leq \sum_{n} |a_{n}| \end{aligned}から (正項級数)$\displaystyle\sum_n |a_n|$が収束$\Rightarrow \…

正規分布の畳み込み・相関関数

正規分布の畳み込み・相関関数を以下の方法で計算してみる. ➡フーリエ変換を使った相関関数と畳み込みの計算方法 - Notes_JP 準備 畳み込み 相関関数 別解 特性関数を使う 畳み込み 準備この記事では,関数$f$のフーリエ変換を\begin{aligned} \mathcal{F}[…

正規分布の半値幅(FWHM)

正規分布の半値幅を計算する(半値幅 - Wikipedia).正規分布は以下で与えられる(正規分布の覚え方 - Notes_JP):平均$\mu$,分散$\sigma^{2}$の正規分布\begin{aligned} N(\mu, \sigma^{2}) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{- (x-\mu)^{2}/2\sigma^{2}…

周期関数の「フーリエ変換」

POINT 周期関数の「フーリエ変換」はくし型関数(くし型関数 - Wikipedia)で表せる. フーリエ変換のその他の性質:フーリエ変換の公式と導出 - Notes_JP くし型関数 周期関数の「フーリエ変換」 参考文献 くし型関数くし型関数を\begin{aligned} \delta_{T…

回転行列(3次元)

3次元回転行列も,以下の2次元回転行列と全く同じ方法で導出できます. 回転行列(2次元) - Notes_JP 座標軸周りの回転 任意軸周りの回転(ロドリゲスの回転公式) 関連記事 座標軸周りの回転3次元回転行列($x,y,z$軸周り)\begin{aligned} \begin{cases} …

常用対数から自然対数への変換(log10からlnへの変換)

$\log_{10} x$の導関数を計算できますか? 常用対数から自然対数への変換 一般的な底の変換 一般的な微分公式 常用対数から自然対数への変換常用対数$\log_{10} x$はよく使われますが,例えば微分したいときに困ります.$\ln x = \log_{e}x$の導関数は\begin…

Pythonで回転行列

回転行列をnumpyで実装します.回転行列については以下の記事を参照してください. ➡回転行列(2次元) - Notes_JP 2次元Python (numpy) import numpy as np def rot(vec, theta): vec = vec.reshape(-1, 1) cos, sin = np.cos(theta), np.sin(theta) R = np…

三角関数の公式をオイラーの公式で導く

POINT 三角関数の公式は指数関数を使って導くことができる. オイラーの公式を使わない方法は,次の記事を参照してください. 三角関数と公式 - Notes_JP オイラーの公式 加法定理 和積公式 三角関数の合成 オイラーの公式指数関数を使って三角関数の公式を…

行列の性質

POINT よく使う行列の性質をまとめます. 【関連記事】 ベクトル解析の公式 - Notes_JP 対称行列 逆行列 逆行列 クラメルの公式 例:2×2行列 式変形 重み 対称行列${}^t \!A = A$($a_{ji}=a_{ij}$)を満たす行列を「対称行列」と呼びます.逆行列対称行列の…

FFTの結果を手計算の結果と比較するには?

POINT FFTと手計算したフーリエ変換を比較する方法について. $T_{\mathrm{s}}$をサンプリング周期とするとき,手計算と比較すべきは「FFTの結果×$T_{\mathrm{s}}$」と「IFFTの結果 / $T_{\mathrm{s}}$」である. numpy.fftを使って,ガウス関数のFFTと手計…

主成分分析(PCA)

【関連記事】 主成分回帰(PCR)・部分最小二乗法(PLS) - Notes_JP 主成分分析(PCA)とは あらすじ 考え方(分散の最大化) 考え方(対角化) 元データの分解 データ行列を使った表現 特異値分解との関係 参考文献 主成分分析(PCA)とはあらすじ1回の測…

主成分回帰(PCR)と部分最小二乗法(PLS)の導出について

POINT PCAとPLSの導出に関する計算メモ. 【関連記事】 主成分分析(PCA) - Notes_JP 次の書籍の計算メモです.スモールデータ解析と機械学習作者:藤原 幸一オーム社Amazon 用語 PCR - 主成分回帰 PLS - 部分最小二乗法 PLS1 - 目的変数が1つの場合 Python…

1の3乗根(図解)

$x^{3} = 1$の解は$x = \omega, \omega^{2}, \omega^{3}( = 1)$と表せる(下図).但し,$\omega$の選び方には図a), b)の2通りがある.さらに,図で3つのベクトルの和を考えれば,図a), b)のどちらでも\begin{aligned} \omega^{2} + \omega + 1 = 0 \end{ali…

3倍角の公式

複素数を使う:ド・モアブルの定理 加法定理を使う 回転行列を使う 複素数を使う:ド・モアブルの定理ド・モアブルの定理 - Wikipediaを使う.$e^{i3\theta} = (e^{i\theta})^{3}$だから\begin{aligned} e^{i3\theta} & = \cos 3\theta + i \sin 3\theta \\ …

相関関数と畳み込み

POINT 相関関数と畳み込みの比較. フーリエ変換を使って計算する方法 フーリエ変換のその他の性質:フーリエ変換の公式と導出 - Notes_JP 定義 畳み込み積分の意味 フーリエ変換を使った計算方法 離散版 参考記事 定義ここでは積分変数$t$を時間とみなす.…

Mark Kac - Statistical Independence in Probability, Analysis and Number Theory

計算メモ.とても楽しい本です. 以下の書籍で知りました.この数学書がおもしろい 増補新版数学書房Amazon 【目次】 第 1 章 ヴィエトから統計的独立性の概念へ 第 2 章 ボレルとその後 第 3 章 正規法則 第 4 章 素数は賽を振る 第 5 章 気体分子運動論か…

実関数のフーリエ変換

POINT 「実関数のフーリエ変換」の性質について. 現実のデータをフーリエ変換で解析する場合,実数値関数のフーリエ変換となる場合が多い.その性質を知っておくと解析で役に立つ場合がある.フーリエ変換のその他の性質:フーリエ変換の公式と導出 - Notes…

正弦波のFFT (numpy.fft)

POINT sinのFFT (DFT) と DTFT,連続フーリエ変換の結果を比較する. numpy.fftの使い方を整理する. numpy.fftを正弦波で試したのでメモ. Discrete Fourier Transform (numpy.fft) — NumPy v2.0 Manual sinの(連続)フーリエ変換 sinのFFT (numpy.fft) ラ…

フーリエ変換とDFTのつながり

POINT フーリエ変換〜DTFT〜DFTのつながりを整理する. サンプリングデータから,元の連続信号のスペクトルを得るにはどうすればよいか,という視点で考える. DFTと元の連続信号のフーリエ変換はどういう関係にあるのか? サンプリング信号は,どうしてイン…

2標本問題とプールされた分散

POINT プールされた分散が現れる背景について. 【関連記事】 【統計的仮説検定】手順と例を1ページにまとめる - Notes_JP 2標本問題 問題設定 それぞれの母分散が既知の場合 母分散が未知だが等しい場合 参考文献 2標本問題問題設定独立な確率変数\begin{al…

ベイズの定理は表を使うと公式なしで計算できる

POINT 条件付き確率の問題を表にまとめると,ベイズの定理を覚えなくても条件付き確率を計算できる. 条件付き確率の状況を表に整理すると,ベイズの定理を明示的に使うことなく同じ結果が得られます.ベン図を使ってベイズの定理を理解する方法は以下を参照…

確率分布

POINT 確率分布の期待値・分散 【関連記事】 事象が起こるまでの試行回数 - Notes_JP:幾何分布 ベルヌーイ分布 期待値 分散 二項分布 期待値 分散 幾何分布 期待値 分散 参考文献 ベルヌーイ分布母比率(信頼区間・検定) - Notes_JP \begin{aligned} \begi…

両側検定と片側検定

POINT 両側か片側かを決めるのは,主張したい「対立仮説$H_{1}$」である. 両側検定か,片側検定かはどうやって決まるのか?という話です.「母平均の検定」を例に,両側検定と片側検定を整理します.【関連記事】 【統計的仮説検定】手順と例を1ページにま…

分散分析

POINT 分散分析(Analysis of variance (ANOVA))についてのメモ. 都度更新.【関連記事】 1元配置 問題設定 平方和 自由度 分散分析表 効果の検定 2元配置 参考文献 1元配置問題設定要因$A$の水準$A_{1}, A_{2}, ..., A_{a}$について,それぞれ$r$個の観測…

線形回帰

POINT 線形単回帰,線形重回帰の概説. 性質を全て調べるのはなかなか大変です.【関連記事】 最小二乗法の計算(理論) - Notes_JP 分散分析 - Notes_JP 線形回帰 問題設定 標準的仮定 パラメータの推定方法 用語 単回帰 重回帰 最小2乗法 最尤法 回帰係数…

母比率(信頼区間・検定)

POINT 母集団に知りたい性質を持つものが「ある比率」で含まれるときに,無作為標本で比率を推定する方法. 母比率(知りたい真の値)を$p$とするとき,すべての標本が確率$p$で性質をもつと考えれば,「ベルヌーイ母集団からの無作為標本」と考えることがで…

正規分布の覚え方

POINT 正規分布の性質について. 忘れたときに,順に導く方法. 忘れたときに,どのような順序で考えればよいかを整理します. 【関連記事】 [A] ガウス積分と派生公式 - Notes_JP:ガウス積分に慣れていない場合はこの記事を参考にしてください. 正規分布…

「数列」の上極限・下極限・極限

POINT 数列の上極限(limsup)・下極限(liminf)について. 級数の収束半径などで現れます.$\epsilon$-$N$論法の良い練習になります.$\inf, \sup$の性質(定義)さえわかっていれば,必要に応じて導けると思います.コンパクトな内容にしようと思っていま…