物理学-物理数学

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ベクトルの射影と直交化

POINT 射影の基本的性質. ベクトルのとても基本的,かつ便利な考え方です.この記事で紹介するのは,慣れればどれも当たり前に感じられる性質です. この考え方は,フーリエ級数などでも役に立ちます. 射影 基底による展開 直交成分 グラム・シュミットの…

座標軸の回転と変換則

POINT 座標軸を回転させるとき,「基底は同じ方向に回転」し,「ベクトルは逆方向に回転」する. 基底の変換則,ベクトルの変換則を導く. 結果をまとめておきます($R(\theta)$は回転行列). 変換則(ベクトル表記) 変換則(成分表記) 基底 $\boldsymbol{e}_…

磁場が軸性ベクトルであること

POINT 磁場が軸性ベクトル(擬ベクトル)であることの説明方法. ベクトルには,空間反転で符号を変える「極性ベクトル」と符号を変えない「軸性ベクトル」がある. 右手系と左手系のどちらをとるかで磁場の向きは変わってしまうが,方程式は変わらない. 【…

ベクトルの外積と座標変換

POINT ベクトルの外積(ベクトル積,クロス積)の注意点について. 座標変換の表式を導く. ベクトルの外積について,こんな性質もあるんだよ!というものをまとめています.性質としては重要なものですが,「計算」ではあまり使わないため忘れてしまいがち…

応力テンソルとは

POINT なぜ,応力がテンソルで表されるのか. 応力を考えると自然にテンソルが必要になる. 「テンソル(tensor)」の語源は「張力(tension)」であると言われています.ここでは,応力を考えることで,自然にテンソルの概念が現れることを見てみます. 【…

ベクトル解析の公式(積分編)

POINT ベクトル解析の積分公式. 【関連記事】 ベクトル解析・行列の公式 - Notes_JP ディアディック(ダイアド積)の計算 - Notes_JP ガウスの発散定理 スカラーの場合 テンソルへの拡張 参考文献 ガウスの発散定理一番スタンダードな形から導ける派生公式…

【読書メモ】物理とグリーン関数(今村勤)

POINT 「物理とグリーン関数(今村勤)」の計算メモ. 次の書籍の計算メモです.物理とグリーン関数 (物理数学シリーズ 4)作者:今村 勤発売日: 2016/02/18メディア: 単行本(ソフトカバー) 記法 Fourier変換 Helmholtz型方程式 波動方程式 境界面のあるGree…

曲線座標系のデルタ関数

POINT 曲線座標系におけるデルタ関数の表式. デルタ関数の座標変換 デカルト座標系 円筒座標系 極座標系 参考文献 デルタ関数の座標変換デルタ関数の座標変換 $\boldsymbol{\xi}=f(\boldsymbol{x})$(注:$f^{-1}(0)$が1点に定まるとする)に対し\begin{ali…

鞍点法

POINT 鞍点法(鞍部点法,最急降下(線)法)の計算について. 解析関数と鞍点 鞍点法 例 参考記事/文献 解析関数と鞍点解析関数(正則関数)$f$の実部と虚部をそれぞれ$u$, $v$と表す($f=u+iv$)ときCauchy-Riemannの方程式\begin{aligned} \frac{\partial…

合成関数の微分-記法と混乱しない方法

POINT 合成関数を簡略化して書くと,計算の際混乱することがある. 混乱した場合は「簡略化の記法をやめて,定義に戻って考える」と良い. 以前から,これ混乱しない?と思っていたので記事にしました.そもそも「簡略化した記法」を使うことが多すぎて,「…

球に関係する積分

POINT 球が積分領域など,何らかの形で関わる積分計算のメモ. 分類の仕方は暫定です.増えてきたらまた考えます. 【関連記事】 曲面積の求め方 - Notes_JP:球の表面積 Helmholtz方程式関連 Helmholtz方程式関連LAMB, HYDRODYNAMICS, SIXTH EDITION, DOVER…

時間平均

POINT 関数の時間平均について. 時間的に周期性を持つ関数の長時間平均はゼロになる. 時間平均 周期関数 実効値 時間平均時間平均時間を変数とする関数$f$の「時間平均」を \begin{align} \langle f\rangle =\frac{1}{T}\int_0^T f(t)\,\mathrm{d}t \end{a…

クリストッフェル記号

POINT クリストッフェル記号の定義と性質について. 円筒座標系,極座標系の具体計算を行う. 定義 性質 円筒座標 極座標 参考文献/記事 定義\begin{aligned} \Gamma^{\alpha}_{\:\beta\gamma} &=g^{\alpha\mu} \Gamma_{\mu\beta\gamma} \\ \Gamma_{\alpha\b…

シュレーディンガー方程式(中心力場)

POINT 中心力場のシュレーディンガー方程式を解く流れを解説します. ヘルムホルツ方程式も特殊な場合として含まれるので,波動現象(電磁波,音波など)の理解にも役立ちます. Schrödinger方程式 解法 ラプラシアン 角度変数 動径関数 ヘルムホルツ方程式…

フーリエ変換の公式と導出

POINT フーリエ変換の関係式とその導出. 【関連記事】 畳み込み - Notes_JP 定義 逆変換 性質 よく使う関係式 偶関数・奇関数の場合 計算例 指数関数 ガウス関数 デルタ関数 2πの付け方の違い 全体の定数倍 係数の定数倍 参考文献 定義関数$f$のフーリエ変…

フックの法則/ひずみテンソルの座標変換(極座標・円筒座標)

POINT フックの法則(ひずみテンソル)の座標変換の計算方法. テンソル演算により座標変換の一般式を求めた後,極座標・円筒座標の具体式を計算する. 以下で与えられる,座標変換後の歪テンソルの表式の導出方法です. 歪テンソル(極座標) 歪テンソル(…

ディアディック(ダイアド積)の計算

POINT ディアディック(ダイアド積)の計算方法について解説. 「行列」として計算すればベクトル解析の計算に帰着させることができる. 流体力学などのベクトル解析の計算では,「ディアディック(ダイアド積)」と呼ばれる量が現れることがあります.いき…

ガウス積分と派生公式

POINT ガウス積分の計算をまとめました. ガウス積分とは,ガウス関数$e^{-x^2}$の積分のことです.ガウス関数は正規分布を始めとして様々な場面で現れることから,ガウス積分の計算に出くわす機会は頻繁にあります.派生する公式が多いことも特徴の一つです…

テンソルは関数として理解できる

POINT テンソルは「ベクトル(と転置ベクトル)」をいくつか与えると「値」を返す関数として理解できる. 例:行列$M$はテンソルである.なぜなら「ベクトル$\boldsymbol{v}$,$^{t}\boldsymbol{w}$」を与えると「値:${}^t\boldsymbol{w}M\boldsymbol{v}$」…

ラプラシアン(極座標・円筒座標)の計算はヤコビアンを使うと簡単

POINT 数行でラプラシアン,divを計算する方法(極座標・円筒座標). 面倒な偏微分の計算(連鎖率・チェーンルール・合成関数の微分)は不要. 【前提知識】 極座標・円筒座標のナブラ(grad)の表式. 積分の変数変換の方法(ヤコビアンの計算方法). ガウ…

「テンソル記法」から「ベクトル解析の記法」への変換方法

POINT テンソル演算で得られた結果を,ベクトル解析の記法に書き換える方法. テンソル解析ではベクトルの変換則を$\displaystyle A^{\prime\mu}=\frac{\partial x^{\prime\mu}}{\partial x^\nu}A^\nu$で定めるが,この計算で得られる成分はベクトル解析で扱…

【実用例】面積・体積の計算法

POINT 面積・体積の計算を丁寧に解説. 同じ例を複数の方法で計算する方法を紹介. 公式として覚えているものも,同じプロセスで導かれることを見てみましょう.いつでも導出できるようになると便利です.とりあえずは球を中心に作成しました.他の例も,こ…

無次元化が必要な理由と方法〜数値計算の疑問

POINT 無次元化が必要な理由とその方法について解説する. 無次元化の効果(メリット): 方程式に現れる変数が減り,簡単な形になる. 方程式の解が相似になる条件がわかる. 数値計算では,適切な無次元化によって変数が極端に小さい値/大きい値を取ること…

テンソルと行列が混同される理由

POINT ざっくり言えば,「テンソルの成分」と呼ばれる量を「行列の形」に並べると(表記や計算で)便利なことがある,というのが一つの答え.背景には,もう少し深い性質がある. 主な混乱の原因は,「行列の成分」が「2階のテンソル(1階反変1階共変テンソ…

テンソルの変換則とその導出

POINT 基底の変換則から,高階のテンソルの変換則が導かれる. 導出した変換則を一覧として整理した. 以前の記事で, 「線形空間$V$の基底・双対基底の変換則」から,自然に「反変・共変ベクトルの変換則」が導かれること を示しました.この議論を一般化す…

反変・共変ベクトルの変換則〜双対空間から理解する

POINT 双対空間は「相対論の共変ベクトル」や「量子力学のブラベクトル」として特に説明なく導入されている. 双対空間を学べば,共変ベクトルの変換則が自然に導かれる. ある線形空間 (ベクトル空間) に対し定義される「双対空間」は,物理の様々な場面で …

ラプラシアンの計算はヤコビアンを使うと簡単

POINT 数行でラプラシアンやdivを計算できる方法(曲線座標). 合成関数の微分(連鎖率・チェーンルール)なしで計算できる. より一般の曲線座標(曲がった空間)でも同じ方法が使える. ちまちま偏微分の計算をするのではなく,積分計算に置き換えてしま…

等長変換:回転・反転・Lorentz変換

POINT ユークリッド空間の距離を保つ変換は「回転」と「反転」で表される. ミンコフスキー空間の距離を保つ変換はLorentz変換となる. 距離を保つ変換が「回転」と「反転」で表されることはよく知られています.但し,これは「ユークリッド空間」での話です…

【例】収束因子

POINT 数学的に収束因子が正当化される例の紹介. 物理においては,実験との比較によって正当化される. 物理では,広義積分の計算において収束因子を掛けて収束性を良くし,最後に収束因子の影響を除く操作を行うことがあります.この操作が正当化されるの…

曲面積の求め方

POINT 定義さえ理解すれば,派生公式なしで計算が可能. 具体例として,回転体の表面積などの派生公式を導く. この記事を読めば,曲面積の定義式さえ理解しておけば,派生公式を覚える必要はないことがわかります! 具体例を交えながら見ていきましょう. …