数学-解析学

このカテゴリーの目次を作成しました: Mathematicsの記事一覧

正規分布の畳み込み・相関関数

正規分布の畳み込み・相関関数を以下の方法で計算してみる. ➡フーリエ変換を使った相関関数と畳み込みの計算方法 - Notes_JP 準備 畳み込み 相関関数 別解 特性関数を使う 畳み込み 準備この記事では,関数$f$のフーリエ変換を\begin{aligned} \mathcal{F}[…

常用対数から自然対数への変換(log10からlnへの変換)

$\log_{10} x$の導関数を計算できますか? 常用対数から自然対数への変換 一般的な底の変換 一般的な微分公式 常用対数から自然対数への変換常用対数$\log_{10} x$はよく使われますが,例えば微分したいときに困ります.$\ln x = \log_{e}x$の導関数は\begin…

三角関数の公式をオイラーの公式で導く

POINT 三角関数の公式は指数関数を使って導くことができる. オイラーの公式を使わない方法は,次の記事を参照してください. 三角関数と公式 - Notes_JP オイラーの公式 加法定理 和積公式 三角関数の合成 オイラーの公式指数関数を使って三角関数の公式を…

主成分分析(PCA)

【関連記事】 主成分回帰(PCR)・部分最小二乗法(PLS) - Notes_JP 主成分分析(PCA)とは あらすじ 考え方(分散の最大化) 考え方(対角化) 元データの分解 データ行列を使った表現 特異値分解との関係 参考文献 主成分分析(PCA)とはあらすじ1回の測…

1の3乗根(図解)

$x^{3} = 1$の解は$x = \omega, \omega^{2}, \omega^{3}( = 1)$と表せる(下図).但し,$\omega$の選び方には図a), b)の2通りがある.さらに,図で3つのベクトルの和を考えれば,図a), b)のどちらでも\begin{aligned} \omega^{2} + \omega + 1 = 0 \end{ali…

相関関数と畳み込み

POINT 相関関数と畳み込みの比較. フーリエ変換を使って計算する方法 フーリエ変換のその他の性質:フーリエ変換の公式と導出 - Notes_JP 定義 畳み込み積分の意味 フーリエ変換を使った計算方法 離散版 参考記事 定義ここでは積分変数$t$を時間とみなす.…

実関数のフーリエ変換

POINT 「実関数のフーリエ変換」の性質について. 現実のデータをフーリエ変換で解析する場合,実数値関数のフーリエ変換となる場合が多い.その性質を知っておくと解析で役に立つ場合がある.フーリエ変換のその他の性質:フーリエ変換の公式と導出 - Notes…

正弦波のFFT (numpy.fft)

POINT sinのFFT (DFT) と DTFT,連続フーリエ変換の結果を比較する. numpy.fftの使い方を整理する. numpy.fftを正弦波で試したのでメモ. Discrete Fourier Transform (numpy.fft) — NumPy v2.0 Manual sinの(連続)フーリエ変換 sinのFFT (numpy.fft) ラ…

フーリエ変換とDFTのつながり

POINT フーリエ変換〜DTFT〜DFTのつながりを整理する. サンプリングデータから,元の連続信号のスペクトルを得るにはどうすればよいか,という視点で考える. DFTと元の連続信号のフーリエ変換はどういう関係にあるのか? サンプリング信号は,どうしてイン…

「数列」の上極限・下極限・極限

POINT 数列の上極限(limsup)・下極限(liminf)について. 級数の収束半径などで現れます.$\epsilon$-$N$論法の良い練習になります.$\inf, \sup$の性質(定義)さえわかっていれば,必要に応じて導けると思います.コンパクトな内容にしようと思っていま…

【読書メモ】ガロアの夢―群論と微分方程式(久賀道郎 )

POINT 東大教養学部のゼミ「群論と微分方程式」の講義録. 各章が短くて進めやすい(第9週は2ページ!) 【関連】読書メモ - Notes_JP.東大教養学部のゼミ「群論と微分方程式」の講義録だそうです.出席した学生の中から,数学者になった方もいるそうです.…

点と直線の距離・点と平面の距離

POINT 点と直線の距離,点と平面の距離を導く. イメージ重視の説明にしています. 簡単に覚えて,いつでも思い出せる手法です. 法線ベクトル 点と曲面の距離 点と直線の距離 点と平面の距離 法線ベクトル法線ベクトル曲面$f (\boldsymbol{x}) = 0$を考える…

事象が起こるまでの試行回数

POINT 確率$0 確率$p$の$n$種類の当たりくじを全て当てるまでの試行回数の期待値は$\displaystyle \frac{1}{p}\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k}$. 様々な計算方法があります.中でも,条件付き期待値による方法は,直感を利用して計算を省略できるメリットがあり…

離散フーリエ変換(DFT)

POINT 離散フーリエ変換(DFT)に関するまとめ. 計算機では有限個の離散データしか扱えない.そこで,有限個の離散データを周期的に拡張して扱う. 非周期的なデータは扱えず,周期的なデータとなる. フーリエ変換は離散フーリエ変換(DFT)として扱い,高…

鞍点法

POINT 鞍点法(鞍部点法,最急降下(線)法)の計算について. 解析関数と鞍点 鞍点法 例 参考記事/文献 解析関数と鞍点解析関数(正則関数)$f$の実部と虚部をそれぞれ$u$, $v$と表す($f=u+iv$)ときCauchy-Riemannの方程式\begin{aligned} \frac{\partial…

【高校数学】二項定理・多項定理

POINT 二項定理のポイントは「場合の数」. 式の展開に「組み合わせ」を表す$\displaystyle {}_n\mathrm{C}_k=\frac{n!}{k!(n-k)!}$が現れる理由を理解することが重要. 多項定理も全く同じように理解できる. 二項定理 多項定理 二項定理二項定理\begin{ali…

三角関数の合成と一般化

POINT 複数の三角関数の和を計算する. 物理的には,単振動を複数合成することを意味する. オイラーの公式を用いて導出することもできる. 三角関数の合成 複数の三角関数 複素指数関数を使う方法 参考文献 三角関数の合成まずは,$\sin$と$\cos$の合成公式…

フーリエ変換の公式と導出

POINT フーリエ変換の関係式とその導出を一覧にしました. 定義 逆変換 性質 $f(x+a)$ $e^{iax}f(x)$ $f(ax)$ $\bar{f}(x)$ フーリエ逆変換 偶関数 奇関数 実関数 相関関数・畳み込み フーリエ変換の具体例 指数関数 ガウス関数 デルタ関数 くし型関数 周期…

バームクーヘン積分

POINT 回転体の体積を計算する「バームクーヘン積分」を解説. 回転体の体積をバームクーヘンのような薄皮に分割して足し上げることで計算する方法は「バームクーヘン積分」と呼ばれます.英語だとShell integrationと呼ばれているようです.立体をShell(殻…

ガウス積分と派生公式

POINT ガウス積分の計算をまとめました. ガウス積分とは,ガウス関数$e^{-x^2}$の積分のことです.ガウス関数は正規分布を始めとして様々な場面で現れることから,ガウス積分の計算に出くわす機会は頻繁にあります.派生する公式が多いことも特徴の一つです…

三角関数と公式

POINT 三角関数の公式のほとんどは,単位円やグラフを描けば導ける. 例外的に「加法定理(3つ)」だけは暗記が必要.他の公式は加法定理から簡単に計算できる. オイラーの公式を通して複素指数関数とも深い関係があります. 三角関数の公式をオイラーの公…

【実用例】面積・体積の計算法

POINT 面積・体積の計算を丁寧に解説. 同じ例を複数の方法で計算する方法を紹介. 公式として覚えているものも,同じプロセスで導かれることを見てみましょう.いつでも導出できるようになると便利です.とりあえずは球を中心に作成しました.他の例も,こ…

極限操作(微分・積分・lim)の交換:定理と反例

POINT 極限操作(lim,微分,積分)を入れ替えられない例の紹介. 一様収束や微分,積分をグラフで理解しておけば簡単に反例をつくることができる. 絵(グラフ)で考えるとわかりやすいです.次のポイントさえ掴んでいれば,反例を考えることは簡単です: 微…

収束因子

POINT 数学的に収束因子が正当化される例の紹介. 物理においては,実験との比較によって正当化される. 物理では,広義積分の計算において収束因子を掛けて収束性を良くし,最後に収束因子の影響を除く操作を行うことがあります.この操作が正当化されるの…

曲面積の求め方

POINT 定義さえ理解しておけば,(派生)公式を覚えなくても計算できる. 具体例として,回転体の表面積の派生公式などを導く. 曲面積の定義 派生公式 球の表面積 グラフの曲面積($X=x$, $Y=y$, $Z=f(x,y)$) $y=f(x)$の回転体($X=x$, $Y=f(x)\cos\theta$…

0.999・・・=1の意味

POINT 0.999・・・=1という式の意味について解説する. 10進法では同じ数が2通りの方法で表せることがわかる. 2進数を始め,N進数でも同じことが起こる. 0.999・・・=1という式は「正しい式」として教えられますが,納得できている人は多くないのではない…

【パラドックス】「1=−1」と複素数の平方根

POINT 複素数の平方根で有名な1=−1となるパラドックスを紹介. 実数の平方根と異なり,符号を一意に決められないことが原因. 高校生や大学の複素解析を学んだとき,「平方根」で混乱したことはないでしょうか?一見正しそうな計算により,1=−1 が導かれる…

ランダウの記号の使い方

POINT ランダウの記号は,無限小や無限大を議論する際に現れる. 微小量の高次項を表す際,$o(\cdot)$や$O(\cdot)$といった記号が現れます(カリグラフィー$\mathcal{O}$が使われることもあります).例えば,微積分学の教科書の中には,証明の中でこの記号…

【Lebesgue積分】優収束定理(limと積分の順序交換)

POINT 優収束定理(limと積分の順序交換)と応用例の解説. 優収束定理とその適用例を紹介します.微分・積分の順序交換については,以下の記事を参照して下さい: 【Lebesgue積分】微積分の順序交換 - Notes_JP 優収束定理 例 参考文献 優収束定理優収束定…

【Lebesgue積分】微積分の順序交換

POINT 微積分の順序交換に関する定理の紹介. 応用例としてGauss積分について解説する. 微積分の順序交換に関する定理と,応用例を紹介します. 極限記号$\lim$と,積分$\displaystyle\int$の順序交換(優収束定理)については,次の記事を参照して下さい:…