物理学-流体力学

このカテゴリーの目次を作成しました: Physics記事の一覧

応力テンソル(流体・弾性体)

POINT 粘性流体の応力テンソル,弾性体の応力テンソルについて. 連続物体の運動方程式には「応力テンソル」が現れます(関連記事 [A]).粘性流体と弾性体の場合に,応力テンソルの表式を整理します.【関連記事】 [A] 流体力学の方程式(運動方程式・連続…

音速と熱力学

POINT 音速を熱力学の観点から見てみる. 音速を等温変化で表す. 【関連記事】 応力テンソル(流体・弾性体) - Notes_JP 音波の方程式 - Notes_JP ラメ定数 - Notes_JP 断熱圧縮率と等温圧縮率 音速と等温変化 参考文献 断熱圧縮率と等温圧縮率断熱圧縮率…

ヘルムホルツの定理(ヘルムホルツ分解)

POINT ヘルムホルツの定理(ヘルムホルツ分解)に関するメモ 【関連記事】 ベクトル解析の公式 - Notes_JP ヘルムホルツの定理 性質 div A = 0を満たすものが存在すること 参考文献 ヘルムホルツの定理ベクトル場$\bm{v}$は,スカラーポテンシャル$\phi $と…

Lambのストークス近似の解(定常,非圧縮)

POINT ストークス近似の解を,Lamb Hydrodynamics(参考文献[1])の方法で導出する. 例えば,①球の周りの流れ,②球に働く力を計算できる(関連記事[A]). 関連記事[A]の問題の下準備にあたる記事です. Wikipediaでは "Lamb's general solution" と呼ばれ…

球に働く力(ストークスの抵抗の法則)

POINT 定常な一様流の中に球を固定したときに,球に働く力を計算する. $F = 6\pi\mu a U$($U$:流れの速さ,$\mu$:粘性係数,$a$:球の半径). 関連記事[A]で計算した速度と圧力をもとに,球に働く力を計算することができます. 【関連記事】 [A]球を過…

球を過ぎる流れ

POINT 定常な一様流の中に球を固定したときの流れと圧力を求める(非圧縮流体でReynolds数が小さい場合). この結果から,球に働く力(Stokesの抵抗の法則)を計算できる. 有名な問題です.調べてみると,文献によって導出方法がかなり異なることがわかり…

流体力学と無次元数

POINT 無次元化の具体例. 無次元化した方程式から「相似則」が導かれる. 無次元化の際,レイノルズ数などの無次元数が現れる. 【関連記事】 無次元化が必要な理由と方法〜数値計算の疑問 - Notes_JP Reynolds数 次元解析 方程式の無次元化 参考文献 Reyno…

応力テンソルとは

POINT なぜ,応力がテンソルで表されるのか. 応力を考えると自然にテンソルが必要になる. 「テンソル(tensor)」の語源は「張力(tension)」であると言われています.ここでは,応力を考えることで,自然にテンソルの概念が現れることを見てみます. 【…

定常波・定在波の性質

POINT 定常波・定在波の性質について考察する. 自由端反射と固定端反射による定常波の特徴. 【関連記事】 [A]2層・垂直入射の反射と透過(電磁波・音波・量子力学) - Notes_JP:振幅反射率の具体的な表式を求めています. [B]【旧版】定常波・定在波の性…

3層・垂直入射の反射と透過(電磁波・音波)

POINT 散乱問題と同じように,「定常的な状態を扱う方法」と「波を追跡する方法」がある. 前者では「定常的な解+境界条件」をもとに解き,後者は「すべての反射波・透過波(この際,境界条件を考慮)を合成する」ことで解く. 【関連記事】 [A]2層・垂直入…

2層・垂直入射の反射と透過(電磁波・音波・量子力学)

POINT 波(電磁波・音波)が,異なる媒質の境界面に対し垂直に入射した場合の反射・透過について. 量子力学で,1次元の階段型ポテンシャルに平面波が入射したときの反射・透過について. これらの波動現象が,ほとんど同じ方法で扱えることを,計算を比較し…

音波の方程式

POINT 音波を流体力学の基礎方程式から導出する. 摂動の1次までを考えると,波動方程式が得られる. 音波が波動方程式に従うことは,流体力学の方程式において摂動論を適用し,その1次の寄与を取り出すことで示されます.摂動の2次以上を考えると,もはや線…

1次元波動方程式と固定端(ディリクレ境界条件)

POINT 境界がある場合の1次元波動方程式の解を,ダランベールの公式(無限区間の初期値問題の解)をもとに考察する. 固定端の場合を考える(ディリクレ境界条件). 【関連記事】 [A]波動方程式とダランベールの公式 - Notes_JP 半無限区間 有限区間 参考文…

散乱と位相のずれ

POINT 散乱問題の解と位相のずれの関係について. $z$軸対称な散乱問題が,位相のずれを決定する問題に帰着することを示す. 【関連記事】 [A]ヘルムホルツ方程式 - Notes_JP 散乱振幅 位相のずれ 散乱がない場合の位相 散乱がある場合の位相 解・散乱振幅と…

球面波

POINT 波動方程式の球面波解は,1次元波動方程式に帰着して求められる. 【関連記事】 ヘルムホルツ方程式 - Notes_JP e^{ikr}/rに関する計算 - Notes_JP 球面波 参考文献 球面波球面波3次元波動関数\begin{aligned} \biggl(\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{…

波動方程式とダランベールの公式

POINT 1次元波動方程式の一般解(ダランベールの解)を導出する. 初期値問題の解(ダランベールの公式)を導出する. そのうち書こうと思っている記事の下準備です. 【関連記事】 球面波 - Notes_JP 1次元波動方程式と固定端(ディリクレ境界条件) - Note…

ラメ定数

POINT ラメ定数とヤング率,剛性率,ポアソン比について. ラメ定数と音速の関係について. 【関連記事】 応力テンソル(流体・弾性体) - Notes_JP フックの法則/ひずみテンソルの座標変換(極座標・円筒座標) - Notes_JP ラメ定数 弾性体中の音速 疎密波…

【高校物理】ドップラー効果(音波)

POINT ドップラー効果の問題を統一的に考える方法. 「振動数」=「単位時間あたりの波の数」がポイント. 観測者が単位時間に観測する「波の数」を調べれば良い. 高校物理の内容です.ドップラー効果が,全て同じ方法(単位時間に観測する「波の数」を数え…

球に関係する積分

POINT 球が積分領域など,何らかの形で関わる積分計算のメモ. 分類の仕方は暫定です.増えてきたらまた考えます. 【関連記事】 曲面積の求め方 - Notes_JP:球の表面積 Helmholtz方程式関連 Helmholtz方程式関連LAMB, HYDRODYNAMICS, SIXTH EDITION, DOVER…

【旧版】定常波・定在波の性質

POINT 定常波・定在波の性質について考察する. 自由端反射と固定端反射による定常波の特徴. 意外とちゃんと考えたことがなかったので,丁寧に考察してみました.【関連記事】 [A]定常波・定在波の性質 - Notes_JP:この記事を複素表記$Ae^{i(\omega t - kx…

物質微分の意味と関係式(流体力学)

POINT 流体力学で現れる物質微分(ラグランジュ微分)の意味について. 物質微分は,流体の流れと一緒に移動する「流体粒子」からみた微分とみなせる. 物質微分の関係式を考察する. 「物質微分」は流体力学で基礎的かつ重要な概念です.最初はとっつきにく…

流体力学の方程式(運動方程式・連続の方程式・状態方程式)

POINT 流体力学において流れを決定する方程式を整理する. 運動方程式(1)は任意の連続物体(流体,弾性体,塑性体)について成り立つ 連続物体の運動量・質量・エネルギーの保存則は,それぞれ運動方程式・連続の方程式・状態方程式に対応します.流体力学で…

フックの法則/ひずみテンソルの座標変換(極座標・円筒座標)

POINT フックの法則(ひずみテンソル)の座標変換の計算方法. テンソル演算により座標変換の一般式を求めた後,極座標・円筒座標の具体式を計算する. 以下で与えられる,座標変換後の歪テンソルの表式の導出方法です. 歪テンソル(極座標) 歪テンソル(…

音波(図解)

POINT 1次元の音波を図解する. 図を書く際は,横軸が「位置」か「時間」かをはっきりさせることが重要. この記事では, $\xi$:流体粒子の平衡位置からの変位.バネで言えば,釣り合い位置からの伸びです. $p$:圧力. $\displaystyle v=\frac{\partial\x…

応力テンソルと圧力の関係について

POINT 応力テンソルと圧力の関係. 完全流体 完全流体完全流体における応力は面に垂直に働く「圧力」だけです.圧力は「圧力の働く点」のみに依存し,「圧力の働く面」のとり方には依存しない(すべての方向に同じ値をとる)ことが示せます.したがって,各軸…

速度ポテンシャル(音波)

POINT 流体力学における速度ポテンシャルの音波への適用例. 【関連記事】 [A]流体力学の方程式(運動方程式・連続の方程式・状態方程式) - Notes_JP [B]音波の方程式 - Notes_JP:速度ポテンシャルの導入について丁寧に説明しています. 速度ポテンシャル …

【計算メモ-音波の散乱】James J. Faran Jr., Sound Scattering by Solid Cylinders and Spheres

音波の散乱に関する計算. 運動方程式 連立方程式の形 円筒座標 弾性体(円筒内部) 流体(円筒外部) 応力テンソル(弾性体) $\sigma_{rr}$ $\sigma_{r\theta}$ $\sigma_{rz}$ 境界条件 $p_{\mathrm{i}} + p_{\mathrm{s}} = - \sigma_{rr}$ $u_{\mathrm{i}…