物理学

定常波・定在波の性質

POINT 定常波・定在波の性質について考察する. 自由端反射と固定端反射による定常波の特徴. 【関連記事】 [A]2層・垂直入射の反射と透過(電磁波・音波・量子力学) - Notes_JP:振幅反射率の具体的な表式を求めています. [B]【旧版】定常波・定在波の性…

3層・垂直入射の反射と透過(電磁波・音波)

POINT 散乱問題と同じように,「定常的な状態を扱う方法」と「波を追跡する方法」がある. 前者では「定常的な解+境界条件」をもとに解き,後者は「すべての反射波・透過波(この際,境界条件を考慮)を合成する」ことで解く. 【関連記事】 [A]2層・垂直入…

2層・垂直入射の反射と透過(電磁波・音波・量子力学)

POINT 波(電磁波・音波)が,異なる媒質の境界面に対し垂直に入射した場合の反射・透過について. 量子力学で,1次元の階段型ポテンシャルに平面波が入射したときの反射・透過について. これらの波動現象が,ほとんど同じ方法で扱えることを,計算を比較し…

音波の方程式

POINT 音波を流体力学の基礎方程式から導出する. 摂動の1次までを考えると,波動方程式が得られる. 音波が波動方程式に従うことは,流体力学の方程式において摂動論を適用し,その1次の寄与を取り出すことで示されます.摂動の2次以上を考えると,もはや線…

1次元波動方程式と固定端(ディリクレ境界条件)

POINT 境界がある場合の1次元波動方程式の解を,ダランベールの公式(無限区間の初期値問題の解)をもとに考察する. 固定端の場合を考える(ディリクレ境界条件). 【関連記事】 [A]波動方程式とダランベールの公式 - Notes_JP 半無限区間 有限区間 参考文…

散乱と位相のずれ

POINT 散乱問題の解と位相のずれの関係について. $z$軸対称な散乱問題が,位相のずれを決定する問題に帰着することを示す. 【関連記事】 [A]ヘルムホルツ方程式 - Notes_JP 散乱振幅 位相のずれ 散乱がない場合の位相 散乱がある場合の位相 解・散乱振幅と…

球面波

POINT 波動方程式の球面波解は,1次元波動方程式に帰着して求められる. 【関連記事】 ヘルムホルツ方程式 - Notes_JP e^{ikr}/rに関する計算 - Notes_JP 球面波 参考文献 球面波球面波3次元波動関数\begin{aligned} \biggl(\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{…

波動方程式とダランベールの公式

POINT 1次元波動方程式の一般解(ダランベールの解)を導出する. 初期値問題の解(ダランベールの公式)を導出する. そのうち書こうと思っている記事の下準備です. 【関連記事】 球面波 - Notes_JP 1次元波動方程式と固定端(ディリクレ境界条件) - Note…

ラメ定数

POINT ラメ定数とヤング率,剛性率,ポアソン比について. ラメ定数と音速の関係について. 【関連記事】 応力テンソル(流体・弾性体) - Notes_JP フックの法則/ひずみテンソルの座標変換(極座標・円筒座標) - Notes_JP ラメ定数 弾性体中の音速 疎密波…

【読書メモ】物理とグリーン関数(今村勤)

POINT 「物理とグリーン関数(今村勤)」の計算メモ. 次の書籍の計算メモです.物理とグリーン関数 (物理数学シリーズ 4)作者:今村 勤岩波書店Amazon 記法 Fourier変換 Helmholtz型方程式 波動方程式 境界面のあるGreen関数 記法Fourier変換関数$f$のFourie…

電磁場の保存則

POINT 電磁場のエネルギーについて 【メモ】 古典的なエネルギー保存則については完成. あと,運動量保存則,エネルギー・運動量テンソル・Maxwellの応力テンソルについて触れたい. エネルギー保存則 参考文献 エネルギー保存則静止物体内のMaxwell方程式\…

示量性と示強性(熱力学)

POINT 示量性と示強性の定義. 示量性と示強性を用いた計算テクニック. 示量性関数の示量変数による導関数は示強変数になる. 記法は文献[1]に従います. 【関連記事】 【読書メモ】熱力学(田崎晴明) - Notes_JP 示量性 示強性 テクニック 参考文献 / 記…

【読書メモ】スピンはめぐる(朝永振一郎)

POINT 読書メモ(作成中). ロジックや計算の行間を補完します. 一般向けの本に見せかけて,数式がかなり出てきます.内容も「場の量子論」など,少し進んだトピックを含んでいるため,量子力学を学んだことがないと挫折してしまうかもしれません.量子力…

曲線座標系のデルタ関数

POINT 曲線座標系におけるデルタ関数の表式. 【関連記事】 デルタ関数と公式 - Notes_JP デルタ関数の座標変換 デカルト座標系 円筒座標系 極座標系 参考文献 デルタ関数の座標変換デルタ関数の座標変換 $\boldsymbol{\xi}=f(\boldsymbol{x})$(注:$f^{-1}…

鞍点法

POINT 鞍点法(鞍部点法,最急降下(線)法)の計算について. 解析関数と鞍点 鞍点法 例 参考記事/文献 解析関数と鞍点解析関数(正則関数)$f$の実部と虚部をそれぞれ$u$, $v$と表す($f=u+iv$)ときCauchy-Riemannの方程式\begin{aligned} \frac{\partial…

【読書メモ】熱力学(田崎晴明)

自分が理解しやすいように言い換えたり,解釈を加えたりしたメモです(重要事実の列挙,ロジックの補完,気になった計算など).【関連記事】 示量性と示強性(熱力学) - Notes_JP 熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)作者:田崎 晴明培風館Amazon 1…

合成関数の微分-記法と混乱しない方法

POINT 合成関数を簡略化して書くと,計算で混乱を生じ得る. 混乱した場合は「簡略化の記法をやめて,定義に戻って考える」と良い. 以前から,これ混乱しない?と思っていたので記事にしました.そもそも「簡略化した記法」を使うことが多すぎて,「簡略化…

【高校物理】ドップラー効果(音波)

POINT ドップラー効果の問題を統一的に考える方法. 「振動数」=「単位時間あたりの波の数」がポイント. 観測者が単位時間に観測する「波の数」を調べれば良い. 高校物理の内容です.ドップラー効果が,全て同じ方法(単位時間に観測する「波の数」を数え…

【高校物理】波長・速度・振動数の関係

POINT 波動現象の波長・速度・振動数の関係を整理します. 「振動数=単位時間にだす波の個数」,「速度=1単位時間に発せられた波が占める領域の長さ」. この記事では,「波の進む速さ」を$V$で表します.注(わかる人向け): 文字に単位をつける記法(「…

Schrödinger方程式(時間変化する井戸型ポテンシャル)

POINT Schrödinger方程式. 井戸の幅が時間変化する問題. 昔やった計算のメモ.まだ途中.... 問題設定 無次元化 変数分離 固有エネルギーと固有関数 時間発展 位置の期待値 問題設定問題質量$m$の粒子が \begin{align} V(x) &= \begin{cases} \,0 & (0\…

球に関係する積分

POINT 球が積分領域など,何らかの形で関わる積分計算のメモ. 分類の仕方は暫定です.増えてきたらまた考えます. 【関連記事】 曲面積の求め方 - Notes_JP:球の表面積 Helmholtz方程式関連 Helmholtz方程式関連LAMB, HYDRODYNAMICS, SIXTH EDITION, DOVER…

【旧版】定常波・定在波の性質

POINT 定常波・定在波の性質について考察する. 自由端反射と固定端反射による定常波の特徴. 意外とちゃんと考えたことがなかったので,丁寧に考察してみました.【関連記事】 [A]定常波・定在波の性質 - Notes_JP:この記事を複素表記$Ae^{i(\omega t - kx…

物質微分の意味と関係式(流体力学)

POINT 流体力学で現れる物質微分(ラグランジュ微分)の意味について. 物質微分は,流体の流れと一緒に移動する「流体粒子」からみた微分とみなせる. 物質微分の関係式を考察する. 「物質微分」は流体力学で基礎的かつ重要な概念です.最初はとっつきにく…

クリストッフェル記号

POINT クリストッフェル記号の定義と性質について. 円筒座標系,極座標系の具体計算を行う. 定義 性質 円筒座標 極座標 参考文献/記事 定義\begin{aligned} \Gamma^{\alpha}_{\:\beta\gamma} &=g^{\alpha\mu} \Gamma_{\mu\beta\gamma} \\ \Gamma_{\alpha\b…

流体力学の方程式(運動方程式・連続の方程式・状態方程式)

POINT 流体力学において流れを決定する方程式を整理する. 運動方程式(1)は任意の連続物体(流体,弾性体,塑性体)について成り立つ 連続物体の運動量・質量・エネルギーの保存則は,それぞれ運動方程式・連続の方程式・状態方程式に対応します.流体力学で…

シュレーディンガー方程式(中心力場)

POINT 中心力場のシュレーディンガー方程式を解く流れを解説します. ヘルムホルツ方程式も特殊な場合として含まれるので,波動現象(電磁波,音波など)の理解にも役立ちます. Schrödinger方程式 解法(変数分離) 変数分離 角度変数 動径関数 参考文献 【…

フーリエ変換の公式と導出

POINT フーリエ変換の関係式とその導出. 【関連記事】 定義 逆変換 性質 よく使う関係式 偶関数・奇関数の場合 計算例 指数関数 ガウス関数 デルタ関数 2πの付け方の違い 全体の定数倍 係数の定数倍 参考文献 定義関数$f$のフーリエ変換$\hat{f}=\mathcal{F…

Python(SciPy)で単振り子

POINT 単振り子の厳密解とPython(SciPy)の計算結果を比較する. 厳密解の導出を解説する. 数値計算の妥当性を確認するために,2通りの方法 常微分方程式をSciPy(odeint, ode, solve_ivp)を用いて解いたものをプロットする方法 厳密解を楕円積分・楕円関数を…

フックの法則/ひずみテンソルの座標変換(極座標・円筒座標)

POINT フックの法則(ひずみテンソル)の座標変換の計算方法. テンソル演算により座標変換の一般式を求めた後,極座標・円筒座標の具体式を計算する. 以下で与えられる,座標変換後の歪テンソルの表式の導出方法です. 歪テンソル(極座標) 歪テンソル(…

ディアディック(ダイアド積)の計算

POINT ディアディック(ダイアド積)の計算方法について解説. 「行列」として計算すればベクトル解析の計算に帰着させることができる. 流体力学や電磁気学におけるベクトル解析の計算で,「ディアディック(ダイアド積)」と呼ばれる量が現れます.いきな…